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独特な魅力を持つ印刷方法-活版印刷について深堀りします

2025.06.16
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 #ユニークな質感 #手作り感 #パッケージ #紙製パッケージ #贈答品
活版印刷がされたパッケージの写真

皆さんは、活版印刷という印刷方法をご存じですか?活版印刷は前回のコラムで紹介したオフセット印刷とは異なる魅力を持つ印刷方法です。半世紀以上もの歴史を持つ活版印刷が現代においても、色褪せることなく人々を魅了し続けている理由を説明いたします。

活版印刷の魅力と特長

活版印刷は、凸の版にインクをつけ、紙に圧力をかけて転写する、非常に古典的な印刷方法です。印鑑を押すことに原理が似ています。活版印刷では印刷面に生まれる紙の凹みやインクの滲みによって、オフセット印刷やデジタル印刷では表現しきれない温かみや手作り感が生まれ、まるで一枚一枚職人が手作業で仕上げたような風合いが魅力です。

活版印刷のプロセスイメージ

魅力1 印刷箇所の凹み

活版印刷をした際に紙に生じる「凹み」には、思わず触れたくなるような心地よさがあります。厚みのあるコットン紙やクッション紙を使用すれば、この凹みがさらにしっかりと表現され、手に取った瞬間に高級感や特別感を演出します。

魅力2 インクの滲み

文字やイラストのわずかな滲みやムラは、活版印刷ならではの味わいです。これによって、商品のグラフィックデザインに絶妙なニュアンスを加え、自然な風合いを生み出します。

魅力3 ベタ面のかすれ

大きなインク面では色ムラやかすれが生じることがありますが、そのかすれ具合は、まるで『Maker’s Mark(メーカーズマーク)』の蓋に施された封蝋のように、個体ごとに微妙な違いがあります。このように画一的ではない点が、工業的に大量生産された印刷物にはない趣を感じさせてくれるのです。

活版印刷の手法については動画で詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。

活版印刷にぴったりの商品

ハンドメイド雑貨のタグやラベル

商品の温もりを表現する素材感と相性抜群。手作り感をそのまま伝えられる仕上がりで、ブランドの価値を高めます。

オーガニック菓子のパッケージ

自然志向の商品に活版印刷の素朴な風合いがぴったり。素材にこだわった商品の雰囲気に合わせて、高級感と安心感を演出できます。

ブランド・商品カード

深いへこみが得られる高級紙にブランド名や商品名が刻まれたカードは、それらの高い品位と高級感を反映します。

活版印刷の注意事項

1.用紙の種類による凹凸の違い

薄手の紙では凹凸を表現しづらくなります。活版印刷の良さを引き出したい場合はある程度の厚みがある紙が最適です。特に300g/㎡以上のコットン紙やクッション紙をおすすめしています。

2.小さすぎる文字や細い線

活版印刷を利用する場合、文字サイズは7pt以上、線の太さは0.5ポイント以上が推奨されています。細かすぎるデザインだとインクが滲み潰れてしまうおそれがあります。

3.両面印刷

活版印刷をすると紙の厚みによっては凹凸が紙の反対面にまであらわれます。先に裏面にオフセット印刷を施し、そのあと表面に活版印刷を施すことをおすすめすることがあります。

4.広い印刷面で発生するムラ

広いベタ面があるグラフィックデザインの場合、インクの濃淡が大きくあらわれることがあります。しかしながら、この温かみのある表情が、活版印刷の「味」としてお客様に好評です。

活版印刷でブランディング

手作業のような温かみやこ高い品位と高級感を感じさせる活版印刷のパッケージは、消費者に「特別な商品」という印象を与えます。活版印刷でオリジナルのパッケージを作りたいとお考えの際は、ぜひご相談ください。

活版印刷の見本