パッケージのグラフィックデザインを鮮やかに表現するオフセット印刷

パッケージの印象を大きく左右するグラフィックデザイン。そのパッケージ印刷をする際に最も一般的で広く使われているのが「オフセット印刷」です。当記事では、オフセット印刷の仕組みやその優れた点について詳しくご紹介します。
オフセット印刷の仕組みとそのメリット
まずはじめに印刷するグラフィックデザインをアルミ製の版に転写します。この工程をCTP(Computer to Plate)と呼び、昔はフィルムを出力してから版に焼き付けていましたが現代ではコンピューターから直接版を出力することができるようになりました。この版は刷版と呼ばれており使用する色1種類につき1枚の刷版の作成が必要です。作成した版を印刷機にセットします。この印刷は油が水をはじく原理を利用しており、インキは印刷する箇所にのみ付着します。インキが付着した刷版は、印鑑のようにそのまま直接紙に押しつけるわけではなく、一度ブランケットと呼ばれる柔軟なゴムシリンダーに転写されます。その後ブランケットから紙へインキが転写されることで紙への印刷が完了します。

オフセット印刷はシアン、マゼンタ、イエロー、キープレート(黒)の4つのインキを掛け合わせて印刷をすることが多く、インキの頭文字から、一般的に「CMYK」と呼ばれています。一方でロゴマークやキャラクターの配色、メタリック調のカラーや淡いパステルカラーを表現したいときはCMYKだけではなく「特色」と呼ばれる専用のインキを使用することもあります。この印刷方法の最大のメリットは、ブランケットの使用によりインキが均一に紙に転写されるため、印刷物が綺麗に仕上がる点と、数万枚に及ぶ印刷枚数であってもその品質を保ったままスピーディーに印刷できる点が挙げられます。

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環境に配慮したオフセット印刷
地球規模で環境保全への取り組みが拡大する中、インキや印刷物に関連する環境対応のガイドラインが数多く設けられています。例えば、DICのオフセットインキには、有害な化学物質を使用していないことを証明する「NLマーク」、石油系溶剤の使用を抑制したことを示す「エコマーク」、植物由来の油を原料に採用したインキであることを示す「ベジタブルマーク」がなどが挙げられます。また、石油系溶剤を完全に排除した「ノンVOCインキ(揮発性有機化合物を含まないインキ)」も広がりつつあり、これにより印刷時の揮発性有機化合物(VOC)の排出を完全に抑制し、印刷現場の環境改善にも寄与しています。これらの取り組みは、環境負荷の低減を目指した重要な施策と言えます。
さらに、インキだけでなく印刷自体に関しても持続可能性を考慮した様々な認証が導入されています。例えば、水を使用しない印刷技術を採用した製品に付けられる「バタフライマーク」は、水や化学薬品の使用を削減することで水資源の保護を実現するものです。また、環境保全の観点から優れた印刷方法を示す「クリオネマーク」や、グリーンプリンティング認証として環境基準を満たした製品に付けられる「GPマーク」なども存在します。これらの基準を通じて環境負荷の軽減が着実に進められています。当社においてもご希望の基準に則ったインクや印刷の対応も承っています。
油性オフセット印刷とUVオフセット印刷の使い分け
オフセット印刷には大きく2つの方法があり、ひとつは油性のインキを使用するもの、もうひとつは紫外線(UV)に反応して硬化するUVインキを使用するものです。当社ではこの2種類を必要に応じて使い分けています。それぞれの印刷方法には以下のような特長があります。
油性オフセット印刷
インキや設備にかかる費用が比較的安価であるため、特にコストパフォーマンスに優れています。また、色鮮やかで艶のある仕上がりになります。
UVオフセット印刷
紫外線(UV)を用いて瞬時にインキを乾燥させるため、急ぎのご用件にも対応することができます。スピードを重視するお客様にぴったりの方法です。
UVオフセット印刷については下記の動画で詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。
高品質な印刷でブランドイメージを最大限に

お客様の商品のブランドイメージを上質な印刷によってパッケージ上に表現したいというご要望に応えるため、当社は常に最適な方法を提案しています。油性オフセット印刷とUVオフセット印刷を使い分けることで、品質とコスト、スピードのバランスを取った最良のパッケージを実現します。商品を引き立てる最高のパッケージを一緒に作りませんか?