パッケージに差をつけるー疑似エンボス加工の知られざる魅力

皆さんは「疑似エンボス加工」という言葉を聞いたことがありますか?エンボス加工については前回のコラムでもご紹介いたしましたが、今回ご紹介する疑似エンボス加工は、専用の型の用意や印刷後の後加工が不要で、印刷工程だけで疑似的にエンボス感を表現できる加工方法です。本記事では疑似エンボス加工について分かりやすくご紹介します。
パッケージに価値を付加する疑似エンボス加工とは?
一般的に紙箱の印刷に使われるオフセットカラー印刷は、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色インキを用います。一方、疑似エンボス加工ではこれに加えて、印刷物にざらざらとした凹凸感を与える「はじきニス」と鏡のようなツヤツヤ感を与える「光沢ニス」の2種類のニスを使用します。4色印刷をした後、①部分的にはじきニス→②全面に光沢ニスの順番で印刷をしてUV(紫外線)を照射して硬化させます。
はじきニスを印刷した箇所が光沢ニスをはじいて、印刷面に凹凸感を演出し、エンボス加工のような見た目と触感を実現します。

はじきニスを施した箇所がエンボス加工のようなざらざらとした見栄えになります
疑似エンボス加工の特長
納期が早い
エンボス加工やその他の表面加工の多くは、印刷後に別工程として印刷所→加工所という製品移動が必要ですが、疑似エンボス加工は印刷と加工をワンストップで行えるため、納期とコストの削減が可能です。
環境に優しい
疑似エンボス加工は、自然環境に有害となるVOC(揮発性有機化合物)を発生せず、製造工程においてもVOC含 有量1%未満を基準とするNon-VOCインキを使用しており、PP加工などのフィルムを伴う表面加工に比べて環境負荷が少なく済みます。
高いグラフィックデザイン性
疑似エンボス加工は、細かい図柄であっても再現性が高く、4色だけでグラフィックデザインを表現するオフセット印刷に比べ高級感や特別感を出すことができます。
様々な印刷物に対応
カタログ、ポスター、ハガキ、クリアファイル、パッケージなど、多種多様な印刷物に応用可能です。
パッと見で差別化できる
疑似エンボス加工は、その光沢感と特別感で、加工をしていないパッケージと一線を画します。高級感を演出したい場合やブランドの名前やロゴマークなどの強調に最適です。

魚の模様が浮き上がるようにギジエンボス加工をほどこした事例
まとめ
疑似エンボス加工は、エンボス加工と同様の高級感を持ちつつ、短納期かつ低コストで実現できる優れた印刷技術です。ハコスグでは、より一層この印刷手法の良さを生かしたデザインなどのご相談も承ります。是非ご相談ください。