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環境配慮型のクリアケースについて説明します

2025.10.09
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 #クリアケース #リサイクル #生分解性 #環境配慮 #パッケージ
環境配慮型プラ円筒ケース

前回はクリアケースの素材とパッケージ事例を紹介しました。今回は、環境に配慮したクリアケース素材について解説します。プラスチックごみ問題が注目される中、環境配慮型プラスチックを用いたパッケージは、多くの企業と消費者から関心を集めています。本記事では、代表的な素材とその特徴、活用事例を紹介します。

環境配慮型プラスチック素材

本題に入る前にプラスチックリサイクルの現状について述べておきます。日本では、容器包装リサイクル法により家庭でのプラスチック分別・回収が進んでいます。プラスチックのリサイクルはPETボトルのように素材が明確で形の上でも判別・回収しやすいものについては、素材をそのまま再利用するマテリアルリサイクルが広く導入されています。一方、その他のプラスチックの多くは、家庭において素材別に分別することが困難であったり、異素材のプラスチックが混合されていたりするためプラスチックごみとして燃やされ、その熱を利用するサーマルリサイクルに充てられます。しかし、そのサーマルリサイクルは熱変換であって、欧米ではリサイクルと見なされません。最後に、ケミカルリサイクルは、回収したさまざまなプラスチックを分子のレベルまでモノマー化したあと、再びポリマー化して新たなプラスチック素材を作り出すこれからのリサイクル技術です。クリアケースはサーマルリサイクルされることがほとんどですが、環境配慮型パッケージとしては、無地クリアケースと剥がしやすいラベルを組み合わせ、廃棄時の分別を容易にする工夫が重要です。また、ケミカルリサイクルで先行している欧米では、モノマー化が容易なPE(ポリエチレン)素材のモノマテリアル容器が主流を占めるようになってきています。このようにリサイクルを前提とした “デザイン for リサイクル” を取り入れることで、環境配慮型素材の真価を発揮できます。

また、環境配慮という点では、植物など再生可能なバイオマスを使用したバイオマスプラスチックや微生物などの働きで、ある環境下において最終的に二酸化炭素と水まで分解する生分解性プラスチック素材もあり、どちらも日々改良が進んでいます。以下に、ハコスグで対応可能な環境配慮型プラスチック素材と商品例を紹介します。

再生PET

使用済みのPETボトルなどのプラスチック製品をマテリアルリサイクル化した透明樹脂です。新たな石油資源消費の抑制や廃棄物削減に貢献します。

活用例

再生PETを使ったシュシュ向けクリアケース

アパレル向けクリアケースの例

例えば、PETボトル由来の繊維を使ったエコバッグや、Tシャツ生地を使ったシュシュ、ヘアゴムなどアップサイクル製品であれば、パッケージと商品本体で「一貫した環境配慮」というストーリーを創出できます。

バイオマスプラスチック

サトウキビやトウモロコシなどの植物由来素材を一部または全部に使用したプラスチック素材です。CO²削減効果や、持続可能な資源であることをアピールできます。バイオマスPETやバイオマスPEなどがあり、従来のプラスチックと近い加工性・透明度を持っています。

活用例

バイオマスPETを使ったシャントリ向けクリアケース

シャントリ向けクリアケースの例

見た目や機能性を損なわないため、通常のクリアケースからの切替えも容易です。化粧品や雑貨、文具などのパッケージとして幅広く活用されています。食品包装用フィルムとしても使われており、商品の種類を問わず活用できます。

紙箱+窓あきパッケージで環境配慮

前述の環境配慮型プラスチック素材以外にも、紙箱の一部をプラスチック素材の窓にするパッケージがあります。紙本来の柔らかな風合いや自由度の高い印刷表現と、窓部分から中身の魅力が直接伝わる機能性を兼ね備えています。紙ベースである分、プラスチックの使用量も最小限に抑えられるため、環境への配慮をアピールできる点も大きな特長です。また、窓の形や大きさをデザインの一部として用いることで、「贈り物として渡すときに中身がちらりと見えて嬉しい」といった新たな価値創造が可能になります。

PET窓貼り貼箱

貼箱の天面のみプラスチックの窓にした例

3面窓パッケージ

キャラメル箱の正面と側面の3面を窓にした例

環境配慮型パッケージでブランド価値を高める

今日の市場において、環境配慮は企業の社会的責任だけでなく、ブランドの競争力を高める重要な要素となっています。バイオマスプラスチック、再生PET、紙箱+窓あきパッケージといった環境配慮型素材の導入は、製品の付加価値向上につながります。

ハコスグでは、お客様の製品特性やブランド戦略に合わせ、最適な環境配慮型パッケージソリューションを提案します。環境負荷低減と機能性を両立するクリアケースの導入を検討されている際は、ぜひお気軽にご相談ください。